今年に入り、
我が家のりんご園では
8年目の木を植え替えています。
理由は、
株間50センチに植えた
超高密植の状態の場所を
解消するためです。
下の写真は8年目「ぐんま名月」
株間50センチ以下の超過密状態に。作業がやりにくくなり、日陰が増え品質が低下してきた。
僕は過去に、
高密植栽培の植え替え作業を
トータル300本はこなしてきました。
そのうち枯れたのは、2本です。
なので割と
植え替え作業については、
経験と実績、自信があります。
植え付ける時のポイントは
この原理原則が大切です。
一度植え付けた
高密植栽培のリンゴの木を
植え替えたいときにどうすればいいのか。
また、初めて植えつけてから、
数年後にはどのような状態に
なっているかを知りたい方の
参考になると思います。
りんごの木を植え替える基本手順は
植え替えの手順は
- 苗を掘りとる。
- 根を切る。(断根)
- 新しい場所に穴を掘る
- 植え付ける(深さに注意)
- 支柱に固定する
こんな感じです。
苗を掘りとる
りんごの木の周辺に
根を切るように
スコップを差し込み
この時に、
強引に押し倒すと、
「バキ!」といって
根本が折れます。
りんごの木がかわいそうなので
大切に掘りとりましょう。
また、太い根があるときは、
ハサミでカットします。
根を切る(断根)
太い根を切ります。
断根(だんこん)といいます。
根を切って心配ですが
大丈夫です。
ざっくりと切りましょう。
根の長さで15センチ位
あれば十分かと思います。
断根についてはこんな記事を
書きましたので、よかったら
参考にしてみてください。
新しい場所に穴を掘る
新しい場所に穴を掘ります。
スコップで掘りましょう。
りんごの苗木を植え付ける(深さに注意)
ここが1番のポイント。
りんごの木を植え付ける時の深さです。
深いと樹勢が強い木になる。
浅いと樹勢が弱い木になる。
この原理原則を押さえましょう!
基本は台木の部分を
20センチほど出して植えます。
ただしあくまで基本です。
なぜかというと条件により、
木の成長(樹勢)が変わるからです。
- 土壌の様子
- 誘引の強さ
- 経営方針
などなど、条件によって変わるからです。
また、品種によっても違います。
同じように植えても、
品種により樹勢が変わります。
僕の経験上、
高密植栽培での樹勢は
- 強い:ふじ、つがる、シナノスイート、
- 中間:シナノゴールド、秋映、
- 弱い:群馬名月、シナノリップ、レッド、
このようなイメージです。
これらを考慮して、植え付ける深さを決めましょう!
支柱に固定する
この作業が地味に大切です。
固定ができていないと、
苗がグラグラして、
生育が安定しません。
幹など丈夫が不安定だと、
根の張りもよくないそうです。
固定方法は
- 紐
- 固定バンド
などがあります。
費用や使いやすさでお好みのものを
りんごの高密植栽培の植え付けは、苗木の深さが大切【8年目の木を比較】
参考までに植えてから8年経過した
「ぐんま名月」の比較写真です。
同じ条件で植えても、
植える深さによって
木の大きさ(樹勢)が違うのが、
わかるかと思います。
角度を変えてもう一枚。
幹の太さ、
根の量、
枝の数が
違うのがわかるかと思います。
りんごの木を植え付ける時期はいつ❓「根が動き出す前に」
具体的には、長野県なら2月後半〜3月までがベストかと考えています。
桜が開花する前、
4月だと遅いかなぁ。
また地域によっては、
雪解けを待ってからの
植え付ける場所もあるかと、
他の作業とのかね合いもありますが、
できれば、桜が咲く前には、
確実に植え付けたいところです。
時期を逃すと
うまく根が張れずに
枯れる危険性が高まります。
僕の周りでは、
5月ころに植え付けて、
8割から9割枯れた農園を
みたことがあります。
折れて根が少なくても大丈夫❓成長の様子を調査。
今回植え替える時に
途中から折れてしまったりんごの木です。
さらに、根の量が貧相。
細い根が数本の状態です。
この木がどのように成長していくのか、
後日、記事にしていきます。
こんなに根が少なくても、
りんごは育つと思います。
お楽しみに!
まとめ【りんご高密植栽培の植え替えは深さが命】
ポイントを整理すると、
- 断根をして、細根の発生を促す。
- 植える深さは条件によって変わる。
- 原則は深いと強樹勢、浅いと弱樹勢
- 植え付け時期は桜が咲く前
特に、植え付ける深さは、
この後の栽培管理の手間に
大きく関わりますので、
十分に注意しましょう!
最後まで読んでくれて
ありがとう。
りんごの苗が枯れずに、
成長できるといいな。
「りんごの高密植栽培」について、
詳しく学びたい方は、
こちらの本がおすすめ。
この本の写真には、
我が家のりんごの木が
使われています。
掘りとりには道具が欠かせません。
僕はこんな道具を使っています。
よかったら参考にしてみてください。
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安心の日本製。角度がちょうどいいので、
木を掘りとるのが楽です。
何より頑丈です。